棚受けフックの取り付けと棚段移動方法
軽量スチール棚のなかのオープン棚及び金網棚に取り付けができる「棚受けフック」。棚受けフック上に載せた棚板は、ボルト・ナットで取り付ける通常の棚板とは違い、ワンタッチで上下に棚板の段移動ができる可動棚板となります。支柱(アングル)の孔に棚受けフックを差し込んで入れるだけで良いのでスチール棚の組立施工自体も簡素化・短縮化できます。
棚受けフックとは
棚受けフックとは、軽量スチール棚用に設計されたスチール棚の中間の棚板(中棚板)を受けるためのスチール製の金具です。
棚受けフックを取り付けることで、取り付けた箇所に載せた棚板が、簡単に上下可動(棚段移動)ができるようになります。頻繁に棚段を変更させたいスチール棚には便利な仕様となります。
また、棚板は通常ボルト・ナットで取り付けをおこないますが、支柱(アングル)の孔にフックを差し込んで引っ掛けるだけで施工が終わるため、スチール棚本体の組み立てが簡素化され施工時間短縮にもなります。
取り付けができるスチール棚
軽量スチール棚のなかではオープン棚と金網棚が取り付け適合タイプとなります。
パネル棚については、背面及び側面にスチール製パネル板が棚全体を覆うため棚受けフックを引っ掛かることができず取り付けができません。
必要個数と取り付け箇所
フック可動式にしたい棚板1枚に対し、棚受けフックは4個使用します。
支柱(アングル)の孔は、正面から見て、以下の合計8箇所があります。
- 左奥:左後方・左奥側の2箇所
- 右奥:右後方・右奥側の2箇所
- 左手前:左前方・左前側の2箇所
- 右手前:右前方・右前側の2箇所
これらの箇所にはどこでも棚受けフックを引っ掛けることができます。お好きな箇所をお選びいただけます。
ただし、左奥・右奥・左手前・右手前のそれぞれに1箇所だけに取り付けます。四隅に2箇所に引っ掛ける箇所がありますがその両方に2個を引っ掛けようとしても、互いに干渉し合って正しく取り付けができません。
取り付けは中間にある棚板だけ
適合するオープン棚と金網棚は、支柱(アングル)と棚板だけで躯体を構成するシンプルな構造ですが、一番上の棚板(最上段の棚板)と一番下(最下段の棚板)には、必ずコーナープレートを用いて四隅をビス(ボルト・ナット)締めが必要となってきます。
したがって、最上段の棚板と最下段の棚板は、棚受けフックを使用して取り付けすることはできません。それ以外の中間の棚板(中棚板)に棚受けフックは使用できます。
スチール棚の支柱(アングル)には30mm×7mmの楕円形の孔があります。支柱の長さの分だけ50mm単位で孔が空いています。上述の最上段及び最下段以外の棚段であれば、棚板が載せられる箇所であれば、どの位置でも棚受けフックを取り付けることができます。
取り付け方法
棚受けフックの取り付けは、スチール棚本体が組み立て終わった後に、本体を起こした状態でおこないます。棚本体は、ボルト・ナット締めをおこなう箇所に対して本締めをして、残りは棚受けフックの棚板取り付けだけの状態にします。
フックの取り付けは簡単で、支柱(アングル)の孔(30mm×7mmの楕円形)に、その孔よりも少し小さいツメ部分を引っ掛けるだけです。
取り付け箇所は前述のとおり、正面から、左奥1箇所・右奥1箇所・左手前1箇所・右手前1箇所の合計4箇所となります。
引っ掛けた後は、棚板を斜めに傾けながら取り付け位置の上に移動します。その後、ゆっくりと棚板を棚受けフック部分まで降ろし、フックの棚板をはめ込む部分に載せます。
取り付け箇所4箇所が正しい孔の高さに来ているかを確認し、水平を見ます。問題が無ければ取り付けは終了です。
取り付け後の棚板の上下可動方法(棚段移動)
まずは、棚受けフックが取り外しできるように棚板を持ち上げます。持ち上げる箇所は、四隅の1箇所側のみでも構いませんし、全体を持ち上げても構いません。ただし、W1800mm×D600mmのような大型の棚板は、かなりの重量となりますので、2名で持ち上げる等十分に対策をしておこなってください。
持ち上げた状態をキープしながら、棚受けフックの高さ位置を変更します。取り付け方法で説明したように、支柱(アングル)の違う孔へ、その孔よりも少し小さいツメ部分を引っ掛けます。
残りの3箇所も同じ高さの位置へ変更して、棚段移動作業は終了です。
耐荷重について
軽量スチール棚の耐荷重は、1段あたり(棚板1枚あたり)120kgです。それはビス(ボルト・ナット)締めした棚板の場合であり、棚受けフックに載せた棚板の耐荷重はそれよりも当然下がります。
実際には数値として示した耐荷重仕様は存在しませんが、約半減になる、ということです。