
スチール棚の壁固定による転倒防止対策
スチール棚に施す転倒防止対策として推奨される方法は壁固定と床固定の2点となります。ここでは基本的な転倒防止策である壁固定による対策についての説明をしています。
推奨される転倒防止対策
地震等による揺れを防止するために施す対策が転倒防止対策ですが、スチール棚には以下の2点による対策が推奨されます。
- 壁固定
- 床固定
転倒防止対策の基本的な施工として壁固定と床固定があります。
床固定がより重要な耐震対策施工方法となりますが、壁固定と床固定の双方を同時に施すことが最善策となります。
どちらか一方でも、固定をするのとしないのでは、転倒防止において雲泥の差があります。
以下では、スチール棚を設置した際におこなう壁固定の方法について説明となります。
壁固定の方法
壁固定の方法はスチール棚の種類やメーカーによって異なります。瀬戸内スチール製の軽量スチール棚(オープン棚・パネル棚・金網棚)や中軽量スチール棚及び中量スチール棚では、壁固定金具を使用してスチール棚と壁との固定をおこないます。
耐震防止金具 (壁固定金具) 75型 軽量・中軽量・中量スチール棚用
また、中軽量スチール棚及び中量スチール棚(300kgまたは500kg/段)タイプで下地がコンクリートの場合は、アングル(支柱)の背面側の固定穴より直接アンカー固定を施すことができます。
もちろん、壁固定金具を使用してアングルの任意の側面側の穴に通し、固定作業をすることもできます。
KU・KCJAホワイトラックシリーズの壁固定
金剛製のホワイトラックシリーズ(KU軽量書棚及びスチール書架 KCJA)では、壁固定金具は別売ではなくスチール棚と一緒に同梱されています。
アングルの上部にL型壁固定金具を取り付けるための金具を取り付けます。
その位置にホワイト色のL型金具を取り付けて壁固定を施工します。
壁の下地と固定方法
壁固定する際の壁の下地とその固定方法は下表のようになります。
下地 | 固定方法 |
---|---|
コンクリート | アンカー固定 |
GLボード | アンカー固定 |
LGSボード | テクスビス固定及びITハンガー固定 |
木 | 木ビス固定 |
無し | 無し(天ツナギ等を検討) |
壁固定金具は同梱されていたり、以下の商品がありますが、壁に固定するためのアンカー類及びビス、固定金具を取り付けるためのビス(ボルト・ナット)は別に用意する必要があります。
上表を参考に、下地や方法により適切な部材をお選び下さい。
また、壁に石膏ボードが貼られている設置場所では、壁固定するためには専用の石膏ボードアンカーがありますが効き目が弱く、その下地となっている間柱や軽量鉄骨等を探し打ち込む必要があります。
壁固定の位置と数量
スチール棚に施す壁固定の位置とその数量には基準があります。
壁固定の位置は、原則としてスチール棚両端で、アングル(支柱)近辺の位置となります。
壁固定の数量は、幅900mmを基準としますと、以下のような目安となります。
幅900mmの1連(台)で2箇所を基準として、2連で2箇所、3連で3箇所、4連で3箇所が目安となります。
最長で間口3600mmで3箇所となり、それ以降は最大1800mm単位で1箇所を追加していくこととなります。