無印良品とカインズのスチール棚を巡るバトル
良品計画とカインズホームのスチール棚を巡る法廷闘争
「ユニットシェルフ」と「「ジョイントシステムシェルフ」
無印良品を展開する良品計画が、ホームセンター大手カインズホームに対して、自社のスチール棚とよく似た商品を販売し利益を侵害したとして商品差し止めを求めて提訴しました。
問題となっているスチール棚ですが、無印良品のものは「ユニットシェルフ」、カインズホームは「ジョイントシステムシェルフ56」という名称で販売されています。似ているようで似ていない名称です。
問題となっているスチール棚の外観
こちらが無印良品の「ユニットシェルフ」で、
こちらが「ジョイントシステムシェルフ56」です。
外観はほぼ同じです。色がカインズの方がホワイト色で、無印良品の方がグレーっぽい色味です。
2本の金属製のポールが焦点
2本の金属製のポールでスチール棚板を支える構造のようで、この「2本のポール」の構造に独自性があるようです。
カインズのジョイントシステムシェルフも2本のポールで構成されており、類似性の点で消費者が商品を混同してしまうおそれがあると主張しているようです。
金属製の細い2本のポールで支える構造でスチール棚を構成するということが論点となりそうですが、似たような棚はいたるところにあり、良品計画は苦しい戦いとなるような気がします。
また、価格差が3割以上安いという点も利益を侵害するひとつの要因ですが、無印良品の棚を買う消費者は、品質への信頼もある「MUJIブランド」であるから買うのであって、替わりにカインズホームの棚を買うという選択をする可能性は比較的薄いんではないでしょうか。
結局、良品計画側は、今後ホームセンター大手が独自ブランドの商品を無印良品の商品を模倣して製造しないように牽制する方向性を視野に入れて提訴しているものと思われます。