スチール棚の重みを分散させる方法
重量のあるスチール棚を床に載せる際、その重さをコンパネや合板を使用して分散させる方法について説明します。
スチール棚の重量(自重)
スチール棚の重量は、スチール棚を構成するアングル(支柱)とスチール棚板、棚受け、ワイドビーム、ビス(ボルト・ナット)等の基本的なパーツの重量の総計となります。
詳しくは、スチール棚の重量(自重)と耐荷重に記載しておりますが、一部商品については商品詳細ページにそれぞれの重量を掲載しています。
棚本体(単体棚)の自重は、15kg程度のものから、中量スチール棚にいたっては、150kgに迫るものまで、種々あります。
横に追加で連結できるタイプのスチール棚であれば、連結棚の数により、何倍にも膨れ上がる計算になります。
スチール製の什器である以上、かなりの重量となるスチール棚ですが、積載した荷物の重量も含めるとそれらの重量物を床上に置くということは、床にも負担が大きいということにもなります。
床材が鋼製の下地補強の入ったOAフロアやコンクリートであれば、それほど問題はありませんが、木(フローリング等)の場合は、総荷重に注意が必要となります。
特にスチール棚やスチール書架の場合は、4本のアングル(支柱)で自重を支えることになり、4点でその荷重を受けることになります。4点の荷重を分散させるには、コンパネや合板等の板材を下に敷く方法があります。
コンパネ・合板
コンパネとは、コンクリートパネルの略称で、コンクリートを固める際に型枠として建設現場等で使用されてきた板です。水分を含んだコンクリートが流し込まれるので、板に耐水塗装が施工されています。
合板は、構造用合板のことで、建築物の下地として使用される材です。
スチール棚の重みを分散させる方法として、このような板材を使用します。
使用する板材(ベニアを含む)の厚みは、できれば12mm以上のものが良いですが、9mmでも十分に機能します。
これらの板材は、ホームセンターで販売しており、切断サービスをしてくれるがほとんどです。
幅×奥行きのサイズに切断する
用意した板材をスチール棚の大きさに合わせてカット(切断)します。
ここでいう大きさとは、スチール棚を床面に置いた際の、面の大きさとなり、スチール棚本体の幅×奥行の外寸法となります。
たとえば、以下のサイズのスチール棚であれば、幅875mm×奥行300mmの板材にカットします。
■軽量パネル棚 H1800×W875×D300(mm) 棚板5枚
ここでは、きっちりジャストサイズでカットするのではなく、10mm〜20mm程度、少し余裕をもたせてカットするのが良いです。
床面の水平や壁面の傾き、棚自体の歪み等を考慮して余裕をもたせてカットすることで、スチール棚を板材の上に置いた時にはみ出さないようにします。
床上に置き、組み立てたスチール棚を配置する
組み立てたスチール棚を起こす前に、カットした上述の板材を設置したいスペースに置きます。
その後、スチール棚を起こし、板材の上に配置します。
板材の上に置くことで、アングル4点にかかる荷重が直接的に床材にかかるのではなく、板材を通して伝わることになります。
板材を介在させることで、スチール棚の重み及び荷重が分散されます。
ここで注意が必要なことは、床材の上にスチール棚を配置していることから、床固定での転倒防止処置が取れないことです。
コンパネや合板等の板材を下に敷いた場合の転倒防止や耐震対策は、壁固定のみの対応となります。